第558回 ~「島津の退き口」と『冥途の飛脚』の結末を歩く~

2020年6月14日(日)開催

こちらは終了致しました。

 慶長5年(1600)9月15日、関ヶ原の戦場を「捨て奸(すてがまり)」という戦法で、かろうじて敵中突破した島津義弘は「小返しの五本槍」と称される者たちの奮戦もあり、軍勢300名程度で伊勢街道から京へ、大坂へ、また初瀬街道を経て大和国にへと、散りぢりに落ち延びました。広く「島津の退(の)き口」といわれる退却でした。

 関ヶ原烏頭坂(うとうざか)から軍勢を四つに分け、伊勢街道・大和街道を敗走した義弘一行は、三輪山平等寺に逃げ込み、僧侶に身を替えて11月28日までの約70日間逗留しました。そして帰国のための船の調達金や当座の費用、銀一貫目を平等寺から借り受け、関係者の手引きで、大坂からは内室、息子も同道し、無事、薩摩へ帰還したといわれています。

 平等寺は「山の辺の道」沿いの大神神社(おおみわじんじゃ)南側にあり、聖徳太子の開基を伝える由緒あるお寺です。「三輪別所」ともされて修験道の霊地としても知られ、その縁で義弘一行も匿われたようです。

 そして三輪はまた『冥途の飛脚』の結末部を語り継いでいます。「無慚(むざん)やな忠兵衛我(われ)さへ憂世(うきよ)忍ぶ身に。梅川が風俗の人の目立つを包みかね借駕籠(かりかご)に日を送り奈良の旅籠(はたご)屋 三輪の茶屋。五日三日夜を明かし廿日(はつか)あまりに四十両。使果(はた)して二歩(にぶ)残るかねも霞むや初瀬山……」(『冥途の飛脚』原文より)と謡われた名場面を、初瀬街道沿いの「三輪茶屋跡」が偲ばせます。今回は、江戸初期、中期の二つの物語の結末を、三輪山沿いに訪ねます

*どなたでも事前の申込みナシに自由に参加できます。

カルチャーウォーキング

集合日時2020年6月14日(日) 午前10時
集合場所JR万葉まほろば線「三輪」駅・改札口前
参加費会員=1,200円 /会員同伴の中学生以下は900円(証明書提示)
[資料代・拝観料・志納・保険料等を含む]
一般(会員外)=1,500円/同伴の中学生以下は1,200円(証明書提示)
[資料代・拝観料・志納・保険料等を含む]
その他雨天も実施。 *午前7時に大雨洪水警報発表の際は中止
お弁当、お茶を携行してください。
参加者の不測の事故につきましては、応急の処置以外の責任は負いかねます。